NY歳時記

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2016/06/24

2016 ミュージカル情報 トニー賞の話題

6/12 日曜日、ミュージカル界のアカデミー賞と言われるトニー賞の授賞式がありました。
今回はその中からいくつか話題をお届けします。
その日の朝オーランドでの49人の死者、50人以上の負傷者を出した無差別射撃テロが起こったばかりで、司会者を始め多くの人が追悼のメッセージを寄せていました。
またメディアでも「こんな危険な銃が誰でも簡単に手に入れることができるなんておかしい、銃規制法に反対している議員たち、今度こそあんた達も考えるべき時だ」という声があがっています。その機運がもっと高まるといいのですが、、。
さてトニー賞は予想通り「ハミルトン」が大量に受賞しました。
13部門のノミネート(同じカテゴリーに何人もノミネートされていたので人数としては16人です)に対して 11部門での受賞。
外したのは舞台装置賞(She Loves Me)と主演女優賞(Cynthia Erivoカラーパープル)のみ。
 11部門での受賞、確かにすごい記録ではあります。
しかし、過去に「プロヂューサーズ」という作品が、12部門で受賞という快挙を成し遂げたので、最多受賞記録にはいたりませんでした。
もし私が投票権を持つ審査員だったとして、これだけ話題になっているミュージカル「ハミルトン」のどれかを外すというのはなかなか難しい、「ここは全部ハミルトンに入れちゃえ」と
いう気になったとしてもおかしくはありません。私は作品は見ていませんが、ショーの合間に行われたパフォーマンスを見る限りではハミルトンの女優さんだってうまいのです。だから全部門がハミルトンであってもおかしくはなかったと思われます。
しかしそんな状況をもってしてもやはり主演女優賞はこの人であるべきと誰もが納得するほど素晴らしかったのがカラー・パープルのCynthia Erivoです。
私が2015年にカラー・パープルについてレポートした時次の様に書きました。
多分私と同じ様な気持ち(ジェニファー•ハドソンが目当て)でチケットを買った方がたくさんおられたと思われ、彼女がステージに現れると同時に盛んな拍手が起こってました。
しかしショーを見終わっての感想は、もうジェニファー•ハドソンはどうでもいい(と言うと言い過ぎですけど)、彼女の存在がかすんでしまうほどセリー役のCynthia Erivoという女優さんが圧倒的な存在感で、観客の拍手も俄然シンシアさんに向けてのものでした。
 
この授賞式でのパフォーマンスでも彼女と新しく参加したヘザー・ヘッドレイは観客のスタンディング・オベーションを受けていました。
 
カラー・パープルはリバイバルのミュージカル作品賞も受賞しています。
 
 
演劇部門の主演女優賞を受賞したのはジェシカ・ラングという女優さんです。
ジェシカ・ラングは私がアメリカに来た時初めて見た映画「キング・コング」に出ていました。その後ダスティン・ホフマンと共演した「トゥッツィ」という映画が大ヒットし、その作品でアカデミー賞助演女優賞を受賞したのですが、同じ年に「フランシス」という映画で主演女優賞にもノミネートされていて、彼女自身はそちらでの受賞を望んでいたのです。だから助演女優受賞が決まった時の、嬉しさではなく「ああ、もうこれで主演女優賞受賞の可能性はなくなってしまった」という無念そうな表情だったのが忘れられません。(この年の受賞は「ソフィーの選択」のメリル・ストリープ)
きれいな女優さんですが、演技派を自負しているので「トゥッツィ」の様な「かわい子ちゃん」という役柄を嫌っていて、その後よくシリアスな作品に出ていた様です。
久しぶりにお目にかかって懐かしい思いでした。
 
このほかにもグレン・クローズとかバーブラ・ストライサンドとか懐かしい顔がたくさんプレゼンターとして出席していました。
 
会場がここ数年続いていたラジオシティ・ミュージックホールから今年はビーコン劇場へと移ったので、広いラジオシティだから関係者以外の一般の人にもかなりチケットが売り出されて貴重な授賞式を見ることができたのに、今年はあまり入れなかったのではないでしょうか。お客様から問い合わせがあったかなり早い時期にSOLD OUTとなってました。
 
ノミネートはされたけどひとつも賞を取れなかったショーのこれからの行方が気になるところです。
スクール・オブ・ロック、ブライト・スター、ウエイトレス、シャッフル・アロング、などなど。好きな作品も多いので続いてくれたらいいのですけど、こちらは厳しいですからチケット売上が芳しくないとすぐにクローズの憂き目にあいます。
前回取り上げた「アメリカン・サイコ」は6月5日で終わってしまいました。やっぱりあの内容では無理ですよね。

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